まとめると、
日本の専門家 ノーダニエル氏は、
『日本の対北朝鮮制裁は北朝鮮にとって痛恨の痛手。
朝鮮総聯から金正恩に入るお金がなくなれば、配下を懐柔する賄賂もなくなるので部下の忠誠心も落ちる。(そして内乱へ?)
日韓安保(それに類するもの)は韓国国民には葛藤があるだろうが必要だろう。
日本が改憲して軍事力を持っても朝鮮半島を攻める可能性は低い。』
と韓国メディアに述べた。
という感じです。
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記事を訳すと大意は大体こんな感じです。
北4回目の核実験の余波について / 日本の専門家 ペニンシュラモニターグループ代表 ※ノーダニエル氏 (へのインタビュー)※노 다니엘(ノーダニエル)【1954年〜、ソウル生まれの韓国人。香港科技大学教授、日本一橋大学時代の研究者などを経て、東京で国際政治リスクコンサルティング会社を運営している政治経済学者。韓国では『アラビア経済金融地図』『右傾化する神の国』『安倍晋三の日本』などを著しており、日本語で出版した『竹島密約』は、韓国では『独島密約』として翻訳された。】
安倍晋三首相が「独自の対北朝鮮制裁」を検討している。対北送金原則・全面禁止が重要である。
中国で入るお金は北朝鮮全体にバラけるが、朝鮮総連を介して入るお金は金正恩(キム・ジョンウン)のポケットにすぐに入るので、(そのため対北送金原則・全面禁止は)北朝鮮政権に痛恨の痛手となるだろう。
Q. 日本の制裁はどの程度の効果があるのか?
A. 規模でみると中国がもちろん大きい。中国が北朝鮮を封鎖する「酸素供給中断」である。しかし、中国が実際にそうする可能性は低い。
日本の制裁は規模は小さくても金正恩を直接打撃する。60代後半の※黄炳瑞(ファン・ビョンソ)が30代前半のキム・ジョンウンの前で震える理由は恐怖とお金である。
日本で入るお金は金(正恩)一族が最も簡単に取り出せる統治の為の資金である。(そのため)賄賂分配に問題が発生した場合、(配下の)忠誠心を揺らすことができるだろう。※ 黄 炳瑞(ファン・ビョンソ)【朝鮮民主主義人民共和国の政治家、軍人。朝鮮人民軍における軍事称号は次帥。黄が事実上のナンバー2とみなされている。】
Q. 韓日安保協力の危険性は?(日米同盟・米韓同盟はあるもの日韓同盟はないから?)
A. 北朝鮮の挑発抑止だけを見れば韓日安保協力の拡大は利益だろう。しかし、これはすでに深刻化された韓国内部の分裂をさらに助長しうる。
日本に関する限り、韓国社会はまだ感情の整理ができてないようだ。一部では両国の国交を正常化させた1965年体制さえ否定しようとする動きがある。このような雰囲気の中で韓日安保協力は『利益か、損害か』と冷静に問う前に、一旦反対(側)から(観れば、ともかくは)『必要』という風に映るだろう。
日本が(憲法9条を)改憲して『普通の国(軍事力を持つ一般的な国家)』になる流れは(善悪(の区別)を離れ)元に戻し難しい傾向にある。
かといって日本が韓半島を攻撃する可能性は低い。
日本が韓国に銃を突きつけるのは、朝鮮半島に大韓民国と全く異なる統一国家ができて日本と競合している場合、(あるいは)南北がすべて親中国家になって日本が孤立している場合、のどちらかの場合だろう。
Q. 韓国が留意すべき点は。
(周りをヨーロッパとロシアに囲まれいる)スウェーデンは地政学的に不安定ながらも中立を守り繁栄してきた。(それは)冷戦時代に西側(ヨーロッパ)とロシアの両方に距離を置く合理的な計算をしたおかげである。
北朝鮮は表面上「中国と北朝鮮は脣齒(唇と歯、つまり非常に近い関係)」としながら、
金日成が死ぬとき金正日に、
「中国を信じてはいけない。」
とした。
(現在、韓国が直面している状況は)旧韓末(李氏朝鮮末期あるいは大韓帝国始め頃)、私たちの(朝鮮)民族が直面した(厳しい)選択と同じような状態である。
(韓国)経済は厳しく、北朝鮮の核(の脅威)は解決されず、米国からは(在韓米軍撤退など)手を引かれ、日本はますます(ナショナリズムな)声を育てている(状況だ)。
私たち(韓国国民)はそれに反発してさらに親群衆的に傾く公算が大きい。国民を統合することができる指導者が切実(に必要)だ。
"조총련 통한 日자금, 김정은 호주머니에 들어가… 일본의 제재는 규모 작아도 金에겐 뼈아플 것"(「朝鮮総連による日本資金は(直接)金正恩のポケットに入る。日本の制裁は規模小さくても金には痛そう。」)- 2016.01.12
朝鮮日報 韓国語版 魚拓
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…約一年前の記事ですけど、今の状況にドンピシャですな。
ノーダニエルさんの先見の明がスゴイ。
インタビュー全体も韓国側視点だと納得できる内容だと思います。
ていうか韓国側からみても朝鮮総連(総聯)から北朝鮮にお金が流れてるって見透かされてるんですね…パチンコマネーとか金正男が滞在していたという噂の神奈川県大和市とか、その辺のことも知っているのだろうか…。
ところで、正直日本人で韓国と国交断行は考えてても韓国侵攻を考えてる人はいないんじゃないかと思います。(領土紛争のある竹島は別として。)
経済的に割に合わないし、日本人は戦後70年を振り返れば誰かに(米国)守ってもらってる間に経済活動に専念してる方が儲かることに気づいていると思います。
軍需産業は別としても民間は経済活動を邪魔される部分も大きいし。
ま、それはそれとしても、朴槿恵大統領が弾劾で揺れ、慰安婦合意履行で揺れ、誰が大統領になるかで揺れてる現在の韓国には、『国民を統合することができる指導者が切実』という言葉はぴったりだと思います。
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なお、当サイトの関連したキーワードの記事は以下の通りです。
→”朝鮮籍”
→”北朝鮮”
→”総聯”
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