大阪・西成 准看護師(29)殺害事件の容疑者で被害者になりすまして中国に逃亡した元同級生の日系ブラジル人(32)が、上海で拘束されるも、身柄引き渡しまで数年間
と報じています。
事件のあらましは以下の通り。
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2014年に大阪市西成区の准看護師 岡田里香さん(当時29)の遺体が、東京都内のトランクルームで見つかった死体遺棄事件に関して、強盗殺人容疑などで逮捕状を出している元同級生で日系ブラジル人女 オーイシ容疑者を、不法入国で拘束していた中国が、2017年1月25日午後に女の身柄を日本に引き渡す方針を固めたことが2017年1月24日に分かった。
大阪府警は強盗殺人容疑のほか、岡田さんのクレジットカードを不正使用したとする詐欺容疑などでも逮捕状を取得。府警はまず詐欺容疑で女を逮捕し、岡田さん殺害についても調べを進める方針。
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事件の経緯として、岡田さんは2014年3月21日に勤務先から帰宅後に行方不明となり、2カ月後の2014年5月21日に東京都八王子市内のトランクルームで遺体が見つかった。
遺体は2014年3月25日、オーイシ容疑者が当時、中国籍の知人女性と一緒に住んでいた八王子市内のマンションに「人形」として宅配便で届けられていた。
その後、遺体の梱包(こんぽう)物からオーイシ容疑者の指紋が検出されたことなどから、容疑者が近くのトランクルームに移したとみられ、大阪府警は容疑者が事件に関与したと判断。
しかし、オーイシ容疑者は、2014年5月3日に岡田さんになりすまして不正取得した旅券(パスポート)で中国・上海に出国していた。その後、2014年5月27日に上海の日本総領事館に出頭して、不法入国の疑いで中国の公安当局に拘束されていた。
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引き渡しの経緯として、日中間には「犯罪人引き渡し条約」がないため、府警は外交ルートを通じて身柄の引き渡しを求めていたが、中国の最高人民法院(最高裁)が出頭から2年後の2016年5月、日本への引き渡しを決定。
これを受けて、府警は2016年6月、身柄を日本に移す準備を進めていた。
捜査関係者によれば、海外逃亡している外国人容疑者の引き渡しについては、各国との条約の未締結が「高い壁」という。
日本は引き渡し条約を締結しているのは米韓2カ国のみで諸外国に比べ極端に※少ない。
※ 記事によれば、米英両国が約110カ国、欧州各国も数十カ国。アジアでも中国や韓国が約30カ国、とのこと。
平成26年(2014年)版※犯罪白書(法務省)によると、平成25年(2013年)末時点で海外逃亡している外国人容疑者は計650人。国籍別では中国の269人が最多。以下、ブラジル85人、韓国・朝鮮71人、と続く。
一方、日本人容疑者が国外逃亡したケースも含んだ海外の推定逃亡先は、中国209人、以下、ブラジル82人、フィリピン56人など。
※ 犯罪白書
いずれも中国が圧倒的に多く、条約の必要性は高いはずだが、記事によれば、締結交渉は2010年2月、東京で第1回会合が行われて以降、一度も実施されていない、とのこと。
日本側は交渉再開を要望しているものの、政治的に日中関係が悪化していることも影響し、中国側に応じるそぶりがなく、交渉は完全にストップしているという。
日中の刑事司法制度に詳しい、一橋大 比較刑事法の王雲海教授によると、交渉は日本側のニーズだけでなく、中国側も経済成長に伴って国外逃亡する汚職犯が多発した事情があり、約20年前から調整が続けられたものだったという。
交渉が停滞する理由を、王教授はその背景に
「政治的な日中関係の悪化がある」
「汚職犯の引き渡しを重視する中国に対し、政治問題化するのを日本が嫌がり、中国が不満を抱いているようだ」と指摘。
また、近畿大 刑事訴訟法の辻本典央教授は、
「もともと日本は島国で入国管理態勢が整っており、海外の犯罪者が逃亡してくる事例が少なかった」
「欧州を中心に、死刑制度の残る日本への容疑者の移送に根強い抵抗感がある」
「死刑の対象となりうる容疑者は引き渡し対象から外す特例を設けるなど、日本側も条約締結へ向けた努力が必要」
と解説・提言している。
追記:続報で、以下が判明。
- 容疑者は日系ブラジル人、オーイシ・ケティ・ユリ(32)氏。
- オーイシ容疑者は事件直前まで東京都八王子市のマンションで、大学院生だった中国籍の女性と同居していたが、その女性は2014年4月から上海の日系企業に就職が決まり、岡田さんが殺害されたとみられる時期も上海にいた。
- オーイシ容疑者は当時、ブラジル政府発行の旅券が失効し、日本でも不法残留の状態で、正規の手段で出国するのは不可能。
- 容疑者は女性との同居生活を続けたかったとみられ、知人らに「中国に行きたい。中国で仕事を探している」などと話していた。
- 中国への渡航に必要な旅券を入手するため、岡田さんに接触した疑い。
- オーイシ容疑者は2014年3月下旬ごろに岡田さんを殺害したとみられ、翌4月までに岡田さんの戸籍謄本を不正入手。
- オーイシ容疑者自身の顔写真が付いた岡田さん名義の旅券を取得したうえ、複数枚のクレジットカードも手に入れ、衣料品の購入や渡航代などに使用。
- 岡田さんの死因は鑑定の結果、体を多数刺されたことによる失血死か出血性ショックの可能性が高いと判明。
【西成・准看護師殺害】中国で拘束の32歳元同級生、25日に身柄引き渡しへ…被害者になりすまし出国していた驚愕の事実
【西成准看護師事件】日中犯罪人引き渡し条約交渉停滞5年 事件捜査の「高い壁」
追記:続報
【西成・准看護師殺害】元同級生、知人に事件前「中国行きたい」 旅券入手目的で接触か
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大阪の准看護師が殺害され、遺体は日系ブラジル人のオーイシという容疑者が中国籍の知人女性(…何者?)と当時一緒に住んでいた八王子市内のマンションに「人形」として宅配便で届けられ、容疑者が同東京のトランクルームで運び、事件が発覚し遺体発見…。
それから数年たってようやく引き渡し…。
なんだか、闇の深い事件です。
しかし、国際犯罪も頻繁に起きている近年、日本が引き渡し条約を米韓2カ国のみと締結の理由はあるんでしょうか?
早々に引き渡し条約の締結国を拡大すべきだと思います。
それにしても、トランクルームに遺棄された、被害者の岡田さんのことを考えると、切ないです…。
追記:
続報で名前と、殺害の動機や動きが明らかになりました。
多数刺され失血死かぁ…痛そうだ。
これって中国籍の女性と容疑者の痴情のもつれといえるのかなぁ?
いずれにしても、被害者は巻き込まれて、死んで、なりすまされてるわけで。
動機がどうあれ、同情できないです…。
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